ジュエリー用語集
ゾイサイト/Zoisite

ゾイサイト(Zoisite)は、青、緑、黄色、ピンクなど多彩な色合いを持つ鉱物で、宝石としても利用される鉱物種です。
特にブルー〜青紫色のゾイサイトは「タンザナイト」として知られ、近年その人気と評価が急上昇しています。
和名では勤簾石(ゆうれんせき)または灰簾石と呼ばれます。
基本情報
- 鉱物種名:ゾイサイト(Zoisite)
- 化学組成:Ca₂Al₃(SiO₄)₃(OH)
- 結晶系:斜方晶系
- 和名:勤簾石(ゆうれんせき)、灰簾石(かいれんせき)
- モース硬度:6〜7
- 比重:3.15〜3.38
- 屈折率:
- α:1.685〜1.705
- β:1.688〜1.710
- γ:1.697〜1.725
カラーバリエーション
ゾイサイトは非常に多様な色を持ち、以下のように分類されます:
- 青色・青紫色:タンザナイト(加熱処理されたものが多い)
- 緑色:クロムやバナジウムを含む天然色。ツァボライトとは異なる。
- 黄色:産出は少ないが、加熱処理や天然で産出することがある。
- ピンク色:不透明なゾイサイトで、「サウィナイト(Thulite/スーライト)」と呼ばれることもある。
タンザナイトについて
「タンザナイト(Tanzanite)」は、ゾイサイトのうちブルーから青紫色を呈する宝石で、ティファニー社が1960年代末にタンザニアのメレラニ鉱山で発見されたゾイサイトに命名した商業名です。
現在では正式な宝石名として広く受け入れられています。
タンザナイトの特徴:
- 三色性が非常に強い(青・紫・赤〜黄茶色が見る角度で変化)
- 加熱処理で色を強調(原石は褐色がかっていることが多い)
- 主な産地はタンザニアのみ(世界的に非常に希少)
ゾイサイトの特徴と取り扱い
- 光沢:ガラス光沢または油脂光沢
- 劈開(へきかい):明瞭であるため、割れやすく、衝撃には注意が必要
- 用途:ファセットカットによるジュエリー用途、またはカボションやカメオにも加工される
産地
- タンザニア(メレラニ):タンザナイトの唯一の産地。世界の流通量のほぼ100%を供給。
- ノルウェー:ピンク色のゾイサイト(スーライト)の主な産地。
- スイス、オーストリア、インド、パキスタンなどでも緑〜褐色系ゾイサイトが見られる。