ジュエリー用語集
トルコ石/Turquoise

トルコ石(ターコイズ)は、古代から装飾品や護符として重宝されてきた、不透明な青色〜青緑色の宝石です。
鮮やかな色彩と歴史的背景を併せ持ち、世界各地で高い人気を誇る宝石のひとつです。
和名はトルコ石と書きますが、鉱物学・宝石学的にはターコイズ(Turquoise)と表記されることが多くなっています。
12月の誕生石としても広く知られています。
基本情報
- 鉱物名/宝石名:トルコ石(Turquoise)
- 和名:トルコ石(とるこいし)
- 化学組成:CuAl₆(PO₄)₄(OH)₈·4H₂O(含水リン酸銅アルミニウム)
- 晶系:三斜晶系(結晶は極めて稀、ほとんどが塊状)
- モース硬度:5〜6
- 比重:2.4〜2.85
- 屈折率:1.61〜1.65
- 光沢:樹脂光沢〜ワックス光沢
- 透明性:不透明
色とその要因
- 主に青色〜青緑色が一般的な色調です。
- 発色要因:
- 銅(Cu)が多く含まれると青色に、
- 鉄(Fe)が増加すると緑色が強くなります。
- 稀に白色や黄色みがかったものも存在します。
特徴と処理
- 多孔質であるため、水や油を吸収しやすく、変色や劣化のリスクがあります。
- そのため、市場に流通している多くのトルコ石には以下の処理が施されています:
- ワックスやオイルの含浸処理:光沢と安定性を高める
- 樹脂やプラスチックの含浸処理:強度向上と色の保護
- 再構成トルコ石(ロックトルコ石):粉末状にしたものを樹脂で固めた人工的な再生品
- 加工の有無は価値に大きく影響するため、ナチュラル(未処理)トルコ石は希少で高価です。
模造石と類似石
- オドントライト:トルコ石に似せた焼成リン酸カルシウムで、古くは模造トルコ石として流通していました。
- ガラス、樹脂、陶器などを用いた模造品も多数存在するため、鑑別が重要です。
産地と歴史
- 主な産地:
- イラン(旧ペルシャ):最も高品質とされる“スカイブルー”のトルコ石を産出
- エジプト・シナイ半島:最古の採掘跡が発見されている
- アメリカ(アリゾナ州・ネバダ州)
- 中国
- 名称の由来:
- 「トルコ石」という名前は、トルコを経由してヨーロッパにもたらされたことに由来します(実際の産地はペルシャが中心)。