ジュエリー用語集
トパーズ/Topaz

トパーズは、美しい透明感と多彩な色彩、そして比較的高い硬度を持つ人気の宝石で、古くから世界中で愛されてきました。
宝石名・鉱物種名として同一であり、和名は黄玉(おうぎょく、こうぎょく)と呼ばれます。
11月の誕生石としても知られています。
基本情報
- 鉱物種名・宝石名:トパーズ(Topaz)
- 和名:黄玉(おうぎょく、こうぎょく)
- 結晶系:斜方晶系
- モース硬度:8(硬度の標準石の1つ)
- 屈折率:
- OHタイプ:1.613~1.620
- Fタイプ:1.629~1.637
- 比重:
- OHタイプ:約3.53
- Fタイプ:約3.56
- 化学組成:
- OHタイプ:Al₂SiO₄(OH)₂
- Fタイプ:Al₂SiO₄F₂
- 光沢:ガラス光沢
- 特性:三色性があり、見る角度によって色調が異なることがある
トパーズの2つの主要タイプ
1.トパーズ(OHタイプ)
- 色合い:黄色、黄金色、オレンジ、ピンク、赤などの温かみのある色が中心
- 代表的名称:インペリアル・トパーズ(Imperial Topaz)と呼ばれることもある
- 発色要因:主にクロムや鉄の影響。加熱処理によりピンク色が得られることもある
- 産地:主にブラジル・ミナスジェライス州で産出
- 特徴:
- トパーズの中でも特に高価で希少なタイプ
- インペリアル・トパーズとして流通することが多く、ピンクや赤味を帯びた色は特に珍重される
- 処理されていない自然の色も評価が高い
2.トパーズ(Fタイプ)
- 色合い:無色、淡青色、青色、淡緑青色、黄色、褐色など幅広い
- 処理:ブルー・トパーズの多くは放射線処理と加熱処理により人工的に色を変化させたもの
- 産地:ブラジル(ミナスジェライス州以外)、ロシア、スリランカ、ナイジェリアなど
- 特徴:
- 色のバリエーションが豊富で、比較的安価なものが多い
- 強く青いブルー・トパーズは処理石である場合がほとんど
- 無処理のナチュラルカラーは希少で高評価
歴史と語源
- 語源:サンスクリット語の「tapas(火)」、ギリシャ語の「topazos(探し求める)」、紅海の島名などに由来するという諸説がある。
- 古代の誤認:かつて日本では、シトリン(黄水晶)をトパーズと呼んでいた時期もあり、混同に注意が必要
トパーズの評価ポイント
- 色:自然な色彩、特にピンクやレッド、インペリアル系は高評価。色の濃さ、鮮やかさ、均一性も考慮される。
- 透明度:インクルージョンが少ないほど価値が高い
- カット:多色性を生かしたファセットカットが主流
- サイズ:大きな結晶が得られるため、5ct以上のサイズも比較的多い