ジュエリー用語集
タンザナイト/Tanzanite

タンザナイトは、青紫色から青色を呈する美しい宝石で、鉱物名はゾイサイト(Zoisite)に属します。特にその華やかで神秘的な色合いと強い多色性が特徴で、2021年に12月の誕生石として加えられたことで、さらに注目を集めています。
基本情報
- 宝石名:タンザナイト(Tanzanite)
- 鉱物名:ゾイサイト(Zoisite)
- 和名:灰簾石(かいれんせき)または勤簾石(きんれんせき)
- 結晶系:斜方晶系
- モース硬度:6〜7
- 屈折率:1.685〜1.725
- 比重:3.15〜3.38
- 主な化学組成:Ca₂Al₃(SiO₄)₃(OH)
特徴と魅力
- 色彩:主に青紫色、青色が代表的ですが、処理前は淡褐色や灰緑色を帯びた石もあり、多くは加熱処理によって美しい青紫色に仕上げられています。
- 多色性(三色性):見る角度や光源によって、青色・紫色・赤みがかったブラウンなど異なる色に見える現象があり、これは強い多色性を持つタンザナイト特有の魅力です。
- 命名の由来:1967年にタンザニアのメレラニ鉱山で発見され、ニューヨークのティファニー社が「タンザナイト」と命名。以降、世界的にこの名で流通しています。
- 処理:市場に出回るほぼすべてのタンザナイトは、300〜600℃程度の加熱処理が施されています(色の改善が目的であり、一般的に許容されている処理です)。
主な産地
- タンザニア(メレラニ鉱山)が唯一の産地で、非常に限定的なエリアからしか採掘されないため、希少性が非常に高いとされています。
市場での評価基準
- 色の濃さと彩度:深く鮮やかな青紫色が最も評価されます。
- 透明度:インクルージョンが少なく、透明度の高いものが上質とされます。
- カット:三色性を活かすため、適切な方向にカットされているかが重要。
- サイズ:5ct以上の大粒で色が均一な石は特に高価です。
ジュエリーとしての扱い
- 硬度がやや低く、劈開性があるため、強い衝撃や急な温度変化には注意が必要です。特にリングなど日常的に使用するジュエリーでは、保護されたデザインが推奨されます。