ジュエリー用語集
クォーツ/Quartz
クォーツ(Quartz)は、地球上で最も広く分布する珪酸塩鉱物の一つで、化学式SiO₂(二酸化ケイ素)を持つ単純な組成の鉱物です。
透明度や色、内部のインクルージョン(内包物)によってさまざまな種類に分類され、宝石として幅広く利用されています。和名では「石英」と呼ばれます。
クォーツの特徴
- 結晶構造:
クォーツは六方晶系(三方晶系)の結晶構造を持ち、典型的には六角柱状の結晶形で産出されます。 - 物理特性:
モース硬度7を示し、標準的な硬度測定の基準石とされています。比重は約2.65で、均一な構造が特徴です。 - 光学特性:
屈折率は1.544~1.553で、特有の透明感を持つ。
クォーツの種類と分類
クォーツは、色や透明度、特殊効果の有無によって以下のように分類されます。
- 透明度による分類:
- 水晶(ロック・クリスタル):無色透明のもの。
- 石英:透明度が低い半透明や不透明のもの。
- 色による分類:
- アメシスト(Amethyst):紫色。加熱処理により黄色や褐色に変化することがあります。
- シトリン(Citrine):黄色から橙色。加熱処理によって生成されることが多い。
- ローズクォーツ(Rose Quartz):淡いピンク色。
- グリーン・アベンチュリン(Green Aventurine):半透明の緑色。内包するクロム雲母により色が生じる。
- 特殊効果による分類:
- ルチルクォーツ:金色や銀色のルチル(針状鉱物)を内包。
- キャッツアイクォーツ:繊維状のインクルージョンが光の反射によってキャッツアイ効果を示す。
- スモーキークォーツ(Smoky Quartz):茶色から灰色を呈する。
インクルージョンと処理
クォーツには、ルチル、トルマリン、ゲーサイト、アクチノライトなど、40種類以上の鉱物が内包物(インクルージョン)として含まれることがあります。これにより、ユニークな模様や効果が生じ、個性的な宝石として評価されます。
処理としては、以下が一般的です:
- 加熱処理:アメシストを加熱することでシトリン(黄色)や褐色系の色合いが得られる。
- 放射線処理:無色クォーツを黄色や褐色に変化させる。 これらの処理は、宝石市場で広く認められています。