ジュエリー用語集
多色性/pleochroism
「多色性(たしょくせい、Pleochroism)」とは、宝石を異なる方向から見ると異なる色に見える現象で、宝石の結晶の異方性(結晶内部の構造が方向によって異なる性質)に起因しています。
結晶の構造が光の特定の波長を吸収することで、見る角度によって色が変化するため、同じ宝石でも複数の色が見られるのです。
多色性には、「二色性(Dichroism)」と「三色性(Trichroism)」の2種類があります。これは、宝石が持つ結晶の構造によって、観察できる色の数が異なるために生じる分類です。
多色性は、宝石の美しさや個性を引き立てる重要な特徴とされています。
多色性が見られる代表的な宝石
多色性が見られる宝石として、タンザナイト、アイオライト、クンツァイト、エメラルドがあります。
多色性の読み方と慣習
宝石業界では「たしょくせい」と読むのが一般的ですが、鉱物学や地学では「たしきせい」と読むこともあります。この現象は宝石の魅力を増す要素として重視され、観察する角度によってさまざまな表情を楽しむことができるため、多色性の強い宝石は特に人気が高いです。
多色性の評価と価値
多色性の強さや色の変化の明瞭さは、宝石の価値を評価するポイントの一つとなります。色の変化が明瞭であればあるほど、美しさが増し、希少性や価値も高く評価されます。ジュエリーとして使用する際には、多色性を考慮したカットが施されることもあり、角度によって異なる色を楽しむことができるため、特別な視覚効果が期待されます。