ジュエリー用語集
真珠/Pearl
真珠は、貝が体内で生成する有機質の宝石で、その優雅な輝きと多彩な色合いから、古代より「海の宝石」として珍重されています。
真珠は、貝に異物(核や組織片)が侵入した際、貝が防御反応として分泌する真珠層(カルシウム炭酸塩と有機質)が層を成して形成されます。
種類と分類
1. 生成方法による分類
- 天然真珠:自然の中で偶然に生成されたもの。現在では極めて希少。
- 養殖真珠:人為的に核を挿入し、貝によって生成される真珠。市場で最も一般的。
2. 母貝による分類
- アコヤ真珠(日本のアコヤ貝):
- 主に日本と中国で生産。
- サイズ:2〜10mm。
- 色合い:白、クリーム、ピンク、シルバー。
- 特徴:滑らかで高い光沢を持つ。
- 白蝶真珠(シロチョウガイ):
- 主にオーストラリア、インドネシア、フィリピンで生産。
- サイズ:9〜20mm。
- 色合い:白、シルバー、ゴールド。
- 特徴:大粒で高価。
- 黒蝶真珠(クロチョウガイ):
- 主にタヒチで生産。
- サイズ:8〜18mm。
- 色合い:黒、グレー、緑、ピーコックグリーン。
- 特徴:神秘的な色合いが特徴。
- マベ真珠(マベガイ):
- 主に日本やオーストラリアで生産。
- サイズ:10〜15mm。
- 色合い:白、ピンク、青、銀色。
- 特徴:半球状で主に装飾品に使用。
- 淡水真珠(イケチョウ貝など):
- 主に中国で生産。
- サイズ:3〜12mm。
- 色合い:白、ピンク、紫、黄色。
- 特徴:多彩な色と形状が魅力。
- コンクパール(ピンク貝):
- カリブ海で産出。
- サイズ:小粒。
- 色合い:ピンク、オレンジ、赤色。
- 特徴:珍しい宝石として高価。
3. 形状による分類
- 真円真珠:完全な球形で、最も価値が高い。
- バロック真珠:不規則な形状で、個性的なデザインに用いられる。
- 半円真珠:半球形で主に装飾品に使用。
- シードパール:非常に小粒(2mm以下)の真珠。
4. 色合いによる分類
- 白、ピンク、黄、金、灰、黒、青、茶など、多彩な色合い。
- コンクパールは特有の赤色が特徴。
物理的特徴
- 光沢:真珠特有の輝き「テリ」は、光が真珠層で反射し合うことで生じます。
- 屈折率:1.530〜1.685。
- 硬度:モース硬度2.5〜4.5(やや柔らかい)。
- 比重:2.60〜2.85。
評価基準
真珠の価値は以下の要素で評価されます:
- テリ(光沢):鮮やかな輝きがあるものほど高価。
- 色:鮮やかで均一な色が評価される。
- 形:真円が最も高価。バロックなどの不規則形はデザイン次第で価値が変わる。
- キズ:傷や凹みが少なく滑らかなものが評価される。
- サイズ:大きいほど価値が高い。