ジュエリー用語集
モース硬度/mohs’s hardness
「モース硬度(Mohs Hardness)」とは、宝石の硬さを表す際に一般的に使用される測定基準で、別名「引っ掻き硬度」とも呼ばれます。
この基準は、ある鉱物が他の鉱物によって傷つくかどうかによって評価され、硬さを10段階に分類しています。最も軟らかい鉱物であるタルク(硬度1)から、最も硬い鉱物であるダイヤモンド(硬度10)まで、10種類の標準鉱物が選ばれており、宝石や鉱物がこの基準でどの位置にあるかを調べます。
モース硬度の測定方法と特徴
モース硬度は、鉱物がどの標準鉱物で傷つくかを基にして、相対的な硬さを測定する方法です。
例えば、ある宝石が石英(硬度7)で傷がつくがアパタイト(硬度5)では傷がつかない場合、その硬度は6とされます。モース硬度は比較硬度であり、絶対的な硬度(ヌープ硬度など)とは異なるため、1段階ごとの硬さの差が一定ではありません。
このため、ダイヤモンドの硬度10は、コランダム(ルビーやサファイアの主成分)の硬度9よりも圧倒的に硬いことを示しますが、他の硬度の段階ではその差はそれほど顕著ではありません。
モース硬度の10段階標準鉱物
- タルク(硬度1):最も軟らかく、手で触っても簡単に削れる。
- 石膏(硬度2):指の爪で簡単に引っ掻くことができる。
- カルサイト(硬度3):銅貨で傷がつく程度の硬さ。
- 蛍石(硬度4):やや硬めで、銅貨では傷がつかないがナイフで傷がつく。
- アパタイト(硬度5):ガラスをわずかに引っ掻ける程度の硬さ。
- 正長石(硬度6):ナイフでは傷がつかず、ガラスに傷をつけることができる。
- 石英(硬度7):一般的なガラスよりも硬く、日常的な摩擦で傷がつきにくい。
- トパーズ(硬度8):多くの鉱物よりも硬い。
- コランダム(硬度9):ルビーやサファイアの主成分で、非常に硬く傷つきにくい。
- ダイヤモンド(硬度10):最も硬く、他の全ての鉱物に対して傷をつけることができる。