ジュエリー用語集
クンツァイト/Kunzite
クンツァイト(Kunzite)は、ピンクから帯紫ピンク色を呈する宝石で、スポジューメン(Spodumene)の一種に分類されます。
その淡く美しい色合いが特徴で、特にピンク色は、宝石中のマンガン(Mn)の含有に起因します。
この宝石の名前は、アメリカの著名な宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツ博士にちなんで名付けられました。
クンツァイトの特徴
- 色合い:
クンツァイトはピンクから帯紫色のバリエーションがあり、色の濃さは石のサイズや角度によって異なります。- ピンク色はマンガンの含有によるもの。
- 紫色はマンガンと鉄(Fe)の組み合わせによる発色。
- 結晶構造:
単斜晶系に属し、長柱状の結晶形を示すことが多い。 - 物理特性:
- 屈折率:1.660~1.676
- モース硬度:6.5~7
- 比重:3.18
- 光学特性:
強い二色性を示し、見る方向によって色の濃淡が変わります。
処理と取り扱い
クンツァイトは、特定の性質や色を強調するために処理が施されることがあります。
- 放射線照射:
色を強調するために放射線処理が行われる場合があります。 - 紫外線の影響:
長時間の紫外線照射や強い光の下にさらされると、色が褪せることがあります。このため、取り扱い時には直射日光を避けることが推奨されます。
命名と歴史
1902年にカリフォルニアで最初に発見され、商業的に採掘されました。その名前は、発見者の一人であり、宝石学の権威であったクンツ博士に由来します。また、リチウムを含む特性から、リシア・アメシストやアメシスト・リシアと呼ばれることもあります。
主な産地
クンツァイトは世界のさまざまな地域で産出されますが、特に以下の産地が有名です:
- アフガニスタン:高品質の濃いピンクのものが多く産出。
- ブラジル:比較的淡い色合いで透明度の高いものが見られる。
- マダガスカル:多様な色合いのクンツァイトが産出。
- アメリカ(カリフォルニア):歴史的に最初に発見された場所。
クンツァイトの用途と評価
クンツァイトは、その柔らかなピンク色と透明感から、ジュエリーとして人気があります。ただし、比較的靭性が低く割れやすい性質があるため、カットや取り扱いには注意が必要です。その希少性と優美な色合いから、コレクターズアイテムや高級ジュエリーに使用されることが多いです。