ジュエリー用語集
ジェイダイト(翡翠)/Jadeite

ジェイダイト(Jadeite)は、主に緑色を特徴とする半透明から不透明の宝石で、翡翠(ひすい)と呼ばれる宝石の一種です。
緑色以外にも白色、褐色、赤色、紫色など多様な色合いを持ち、ガラス光沢や油光沢を示します。
ジェイダイト(翡翠)は、5月の誕生石とされています。
また、2016年には、日本の国石として認定されました。
鉱物学的にはジェード輝石(ヒスイ輝石)と呼ばれ、和名では「硬玉」とされています。
特徴
- 色合い:
- 緑色:最も典型的で価値が高い。クロム(Cr)の含有により発色。
- 濃い緑(琅玕、ろうかん):透明感のある最高品質のジェイダイト。
- 紫色(ラベンダー翡翠):鉄(Fe)とマンガン(Mn)の影響で発色。
- 黒色(クロロメラナイト):鉄分を多く含むため濃緑色や黒色を呈する。
- 白色:清純な印象で装飾品に多用される。
- 光沢:
ガラス光沢から油光沢を示し、滑らかで高級感があります。 - 透明度:
半透明から不透明。特に透明感の高いものは価値が非常に高いとされます。 - 結晶構造:
単斜晶系で、繊維状の構造を持ち、緻密で硬い。 - 物理特性:
- モース硬度:6.5〜7(比較的硬い)。
- 比重:3.25〜3.36。
- 化学組成:
Na(Al,Fe)Si₂O₆。ナトリウムとアルミニウムを主成分とする珪酸塩鉱物。
ネフライトとの違い
ジェイダイトとネフライトは、共に「ジェード」と総称されますが、以下のような違いがあります:
- 硬度:
ジェイダイトはネフライトより硬く、「硬玉」と呼ばれます。 - 靭性:
ネフライトは靭性が高く、衝撃に強い一方、ジェイダイトはやや割れやすい性質があります。 - 化学組成:
ネフライトはカルシウムとマグネシウムを含む珪酸塩鉱物で、ジェイダイトとは組成が異なります。
加工と処理
- 染色:
色を強調するための染色処理が施されることがあります。 - 樹脂含浸:
透明度を向上させるために樹脂を注入する処理が行われる場合があります。 - 取り扱い:
加工中に割れやすいため、熟練した職人が慎重に扱います。
主な産地
ジェイダイトは世界の限られた地域で産出されます。
- ミャンマー:最高品質のジェイダイトの主な産地。
- グアテマラ:中米で産出されるジェイダイトも評価が高い。
- 日本(新潟県糸魚川):国産のジェイダイトで、文化財としても珍重されています。