ジュエリー用語集
デマントイド・ガーネット/Demantoid Garnet

デマントイド・ガーネットは、アンドラダイト・ガーネットの一種で、鮮やかな緑色と強い分散(ファイア)を特徴とする極めて美しい宝石です。
その名前は、「ダイヤモンドのような輝き」を意味するオランダ語 demant(ダイヤモンド)に由来し、ガーネットの中で最も輝きが強いとされています。ガーネットグループに属する鉱物です。
基本情報
- 宝石名:デマントイド・ガーネット(Demantoid Garnet)
- 鉱物種名:ガーネット(アンドラダイト系)
- 和名:灰鉄柘榴石(かいてつざくろいし)
- 化学組成:Ca₃Fe₂(SiO₄)₃
- モース硬度:6.5〜7
- 屈折率:1.880〜1.889
- 比重:3.84〜3.88
- 結晶系:等軸晶系
- 光沢:ガラス光沢〜アダマンチン光沢(ダイヤモンド様)
発色とインクルージョンの特徴
- 色合い:鮮やかな黄緑色〜深いエメラルドグリーン。発色の主因はクロムで、鉄も色に影響します。
- ホーステール・インクルージョン:
- フィブリル状のアスベスト鉱物の一種であるクリソタイル(Chrysotile)の包有物が放射状に入った特徴的な内包物。
- ロシア産のデマントイドに多く見られ、天然の証明とされることもあります。
鑑別のポイント
- 強い分散(ファイア):分散度0.057で、ダイヤモンド(0.044)よりも高く、虹色の輝きを放ちます。
- ホーステール・インクルージョンの有無は、特にコレクター向けや高品質品で評価のポイントになります。
- しばしばエメラルドと比較されますが、輝きの質が大きく異なります。
主な産地
- ロシア(ウラル地方):
- 最も伝統的かつ評価の高い産地。
- ホーステール・インクルージョンを持つことで有名。
- ナミビア:
- 透明度が高く、色がやや明るい傾向。
- イタリア(ヴァルマレンコ)
- パキスタン
- イラン
- その他:マダガスカルなどからも産出がありますが、産出量は限定的です。