ジュエリー用語集
コランダム/Corundum
コランダム(Corundum)は、化学式Al₂O₃(酸化アルミニウム)を主成分とする鉱物で、宝石として硬い部類に属します。
六方晶系の結晶構造を持ち、モース硬度9を示す標準石として知られています。和名は「鋼玉(こうぎょく)」と呼ばれます。
コランダムの種類
コランダムは、その色と透明度に応じて分類されます。
- ルビー(Ruby):
コランダムの中で赤色のものを指します。赤色は主にクロム(Cr)の含有によるもので、その鮮やかな赤色は「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれる最高品質のルビーに代表されます。 - サファイア(Sapphire):
赤色以外のすべてのコランダムを指します。特に、青色のサファイアは「ブルー・サファイア」と呼ばれ、最も一般的なサファイアの色合いです。- ファンシー・サファイア:青色以外の色(ピンク、イエロー、グリーンなど)を持つサファイア。
- パパラチャ・サファイア(Padparadscha Sapphire):ピンクとオレンジが混ざり合った特有の色合いを持つ非常に希少なサファイア。
特徴
- 硬度:モース硬度9で、ダイヤモンドに次いで硬い鉱物。
- 比重:3.95〜4.00で、高い密度を持つ。
- 屈折率:1.762〜1.770、光の反射が強く鮮やかな輝きを持つ。
- 結晶構造:六方晶系で、典型的には六角柱状や板状で産出される。
色の原因
コランダムの色は、含有する微量元素によって変わります。
- 赤色(ルビー):クロム(Cr)
- 青色(ブルー・サファイア):鉄(Fe)とチタン(Ti)
- 黄色、緑色(ファンシー・サファイア):鉄(Fe)
- ピンク、オレンジ(パパラチャ):クロム(Cr)と鉄(Fe)
処理と加工
多くのコランダムは、色や透明度を向上させるために処理が施されます。
- 加熱処理:
透明度を高めたり、色を鮮やかにするために行われる最も一般的な処理。 - 拡散処理:
表面に色を加える処理。特に青色やスター効果を強調するために用いられます。
主な産地
- ミャンマー(旧ビルマ):最高品質のルビーとサファイアの産地。
- スリランカ:パパラチャ・サファイアを含む、多種多様なコランダムの産地。
- タイ:高品質なブルー・サファイアが採掘される。
- マダガスカル:近年、優れたサファイアが多く発見されている。