ジュエリー用語集
サンゴ/Coral
サンゴ(珊瑚、Coral)は、生物起源の宝石の一つで、その美しい色と独特の質感から古代より装飾品や彫刻品として珍重されてきました。
サンゴには、白色、桃色、赤色、血赤色、白と赤の縞模様など多彩な色合いがあります。
日本では、3月の誕生石とされています。
主に八放サンゴ類に属する 宝石サンゴ が宝飾用として利用されますが、石サンゴなどの六放サンゴ類は別種のものです。
特徴
- 色合い: サンゴはその色によって評価されます。
特に、血赤色(深紅色)は最高級とされ、白色やピンク色のサンゴも人気があります。- 白色:純白で優雅な印象。
- 桃色:淡いピンクで「エンジェルスキン」とも呼ばれる。
- 赤色:鮮やかな赤色で高い価値を持つ。
- 血赤色:濃い赤色で、最も珍重される色合い。
- 光沢: サンゴは、磨くことで独特の温かみのある光沢を示します。
- 組成:
- 八放サンゴ類(宝飾用サンゴ):主成分はカルサイト(CaCO₃)。
- 六放サンゴ類(黒サンゴ):主成分はコンキオリン(硬タンパク質)。
- 物理特性:
- 比重:約2.6〜2.7
- モース硬度:3.5〜4(柔らかく傷つきやすい)
処理と加工
サンゴは、自然の美しさを引き出すために以下のような処理が施されることがあります。
- 染色: 色を鮮やかにしたり、色を改変するために行われることがあります。
- 充填・含浸: 微細なひびや空洞を埋めるため、樹脂やワックスを含浸させる処理。耐久性を向上させるために行われることもあります。
- 酸処理: 表面を酸で処理して艶を出す技法。
- 彫刻: サンゴの美しい色合いを活かした彫刻品も人気があります。
主な産地
サンゴは世界中の海で見られますが、宝飾品として使用される高品質のサンゴは特定の地域で採取されます。
- 日本(高知県、沖縄県): 高品質な赤サンゴや血赤サンゴで有名。
- 地中海: 鮮やかな赤色のサンゴが産出されます。
- 台湾: ピンクや白のサンゴが多い。
- フィリピン: 黒サンゴの主要産地。
- その他: ミッドウェー諸島、ハワイなど
注意点と取り扱い
- 柔らかい素材: モース硬度が低いため、傷つきやすく取り扱いには注意が必要です。
- 保護とメンテナンス: 強い衝撃や高温、酸性の環境を避けることで、長期間美しさを保つことができます。
- 紫外線や乾燥にも注意: 直射日光や乾燥した場所に置くことは避けましょう。
- 化粧品や香水なども、サンゴの変色や劣化の原因となることがあります。