ジュエリー用語集
シトリン/Citrine
シトリン(Citrine)は、黄色から薄橙色を特徴とする透明なクォーツ(石英)の一種です。
その名前はフランス語の「シトロン(citron)」、すなわちレモンに由来し、その明るく温かみのある色合いが魅力です。
市場で流通しているシトリンの多くは、アメシストを加熱処理したものですが、自然産出のシトリンも存在します。
特徴
- 色合い:
- 鮮やかな黄色から薄いオレンジ、金褐色まで多様な色を持ちます。
- 彩度が低く、褐色がかる場合は「スモーキー・クォーツ」と分類されることもあります。
- 光沢:
ガラス光沢を示し、美しい透明感があります。 - 透明度:
透明でインクルージョンが少ないものが評価されます。 - 物理特性:
- モース硬度:7(耐久性が高くジュエリーに適する)。
- 比重:2.65(クォーツ特有の密度)。
- 化学組成:
SiO₂(二酸化ケイ素)を主成分とする鉱物。
加工と処理
- 加熱処理:
市場に流通しているシトリンの多くは、アメシストやスモーキー・クォーツを加熱処理して黄色や橙色を発色させたものです。この処理により、鉄分が三価から四価に変化し、特有の色が生まれます。 - 放射線処理:
一部のロッククリスタルを放射線処理し、その後加熱することでシトリンに近い色合いを得ることができます。 - 未処理シトリン:
自然産出されたシトリンは希少で、特にブラジルやマダガスカル産のものが有名です。
シトリンの誤称
- シトリン・トパーズ:
トパーズとは鉱物学的に異なるため、誤称とされています。正確には「シトリン:クォーツ」と表記されるべきです。
主な産地
- ブラジル:世界最大のシトリン産出国で、特にミナスジェライス州が有名。
- マダガスカル:明るい黄色のシトリンを産出。
- ロシア:高品質のシトリンが採掘される。
- スペイン:自然産出のシトリンが見られる。