ジュエリー用語集
アメシスト/amethyst
「アメシスト(Amethyst)」は、紫色から藤色、赤ワイン色などの色合いを持つクォーツ(石英)の一種で、和名では「紫水晶」と呼ばれます。
この紫色は、鉄の色中心に由来し、放射線や加熱処理によって色が変化します。
しかし、太陽光の強い照射を受けると退色しやすいため、長時間の直射日光には注意が必要です。
アメシストの歴史と文化的背景
アメシストは、日本では「高貴な色」として珍重されてきました。かつて日本で産出された良質な紫水晶は「加賀紫」と称され、朝鮮半島で産出されたものは「朝鮮紫」と呼ばれ、特に質の良いアメシストとして知られていましたが、現在はこれらの産地からの供給はありません。
アメシストの名前は、ラテン語の「amethystus」やギリシャ語の「amethystos」に由来し、ギリシャ神話において酔いを防ぐ力があるとされました。このため、**「バッカス・ストーン」や「ソルジャー・ストーン」**とも呼ばれ、古代ではお守りとして身に付けられることが多かったとされています。また、アメシストは2月の誕生石としても知られ、誠実、平穏、精神的な強さを象徴する石として愛されています。
アメシストの結晶構造と産地
アメシストは、三方晶系の結晶構造を持ち、美しい透明感が特徴です。主要な産地としては、ブラジル、ウルグアイ、ザンビア、マダガスカルなどが知られており、各産地ごとに微妙な色合いの違いが楽しめます。濃い紫色から淡いラベンダー色までさまざまな色調があり、特に色が濃く透明度の高いアメシストは、宝石としての価値が高いとされています。