ジュエリー用語集
琥珀/Amber
琥珀(Amber)は、約3,000万年前の松類などの樹脂が化石化した有機物質で、独特の温かみのある色合いと軽さ、透明感が特徴の宝石です。
和名では「こはく」と呼ばれ、古代から装飾品や護符として珍重されてきました。
ギリシャ語で琥珀を意味する「エレクトロン(Elektron)」は、静電気の語源にもなっています。
琥珀の特徴
- 色合い:
琥珀は通常、黄色からオレンジ色、褐色までの色を持ちますが、白色、緑色、青色、赤色などの珍しい色合いも存在します。 - 透明度:
完全に透明なものから不透明なものまでさまざま。 - 光沢:
樹脂光沢からガラス光沢を示し、滑らかな質感があります。 - 化石化の過程:
樹脂が地中で長期間にわたって化石化し、化学的に安定した固体となったものが琥珀です。 - 摩擦特性:
摩擦すると静電気を帯び、小さな物体を引き寄せる性質があります。 - 比重と硬度:
- 比重:約1.05〜1.10(非常に軽い)
- モース硬度:2〜2.5(非常に柔らかい)
種類と分類
琥珀は、産出方法や特徴によって分類されます。
- ピットアンバー:
地中から採掘される琥珀。 - シーアンバー:
海岸に漂着した琥珀。 - インクルージョン(内包物):
琥珀の中に昆虫や植物片が閉じ込められたものは、特に珍重されます。これにより、古代の生物や環境に関する科学的な情報が得られることもあります。 - バルト海産琥珀:
世界最大の産地で、質の高い琥珀を産出。黄色やオレンジ系が中心。 - ドミニカ共和国産琥珀:
青みがかった琥珀(ブルーアンバー)が有名。 - ミャンマー産琥珀:
鮮やかな赤色や緑色が特徴。
類似物質と鑑別
- コーパル(Copal):
琥珀によく似た天然樹脂で、まだ完全に化石化していないもの。比重がやや高く、熱や溶剤に敏感です。 - 合成琥珀:
人工的に作られた琥珀や樹脂は、紫外線下での蛍光特性や熱処理によって鑑別可能です。