ジュエリー用語集
アレキサンドライト/alexandrite
「アレキサンドライト(Alexandrite)」は、クリソベリルの一変種で、クロムの含有により特有の変色性を示します。
自然光(昼光)では緑色、白熱灯などの人工光下では赤色に変化することで知られ、異なる光源で異なる色を楽しむことができる、非常に希少で魅力的な宝石です。アレキサンドライトは、1831年にロシア皇帝アレクサンドル二世の治世下で発見され、その名にちなんで命名されました。
和名では「変彩金緑石」と呼ばれています。
アレキサンドライトの物理特性
アレキサンドライトは、斜方晶系の結晶構造を持ち、屈折率はa 1.745~1.749、β 1.748~1.753、γ 1.755~1.759で、硬度は8.5、比重は3.71〜3.72です。化学組成は**BeAl₂O₄(+Cr)**で、クロム含有によって色が変わる独特の変色性が生まれています。
アレキサンドライトを冠した宝石(アレキサンドライト・タイプ・ジェム)
「アレキサンドライト・タイプ」として、サファイアやガーネット、トルマリンなど、アレキサンドライトと同様の変色性を示す宝石が存在し、これらを総称してアレキサンドライト・タイプ・ジェムまたはカラー・チェンジ・タイプと呼びます。しかし、JJA(日本ジュエリー協会)やAGL(日本宝石鑑別協会)の命名法では、アレキサンドライトという名称を用いるのは、変色性クリソベリルのみとされ、それ以外の宝石には「カラー・チェンジ・タイプ」と明記する規定となっています。
アレキサンドライトの価値と評価
アレキサンドライトの評価は、変色の鮮明さと色のコントラストの強さによって決まります。
緑から赤への変色が明確であるほど高い評価を受け、特にロシア産のアレキサンドライトは濃い緑色から鮮やかな赤色に変化するため、希少価値が高いとされています。現代では、ブラジルやスリランカなどからも産出されていますが、ロシア産のものは特に希少で人気があります。