ジュエリー用語集
サファイア/Sapphire
サファイア(Sapphire)は、赤色以外のすべての色のコランダム(Corundum)を指す宝石名で、特に青色のサファイア(ブルー・サファイア)が最も広く知られています。
その他にも、緑、黄色、紫、黄金色、桃色、無色など多彩な色合いを持ち、帯橙ピンク色のものは特にパパラチャ・サファイア(Padparadscha Sapphire)と呼ばれます。
日本では、9月の誕生石とされています。
和名では「青玉(せいぎょく)」や「藍宝玉(らんほうぎょく)」と呼ばれます。
特徴
- 色合い:
- 青色:鉄(Fe)とチタン(Ti)の影響による。
- 黄色、緑色:鉄の含有による。
- ピンク、紫色:クロム(Cr)の影響による。
- パパラチャ:オレンジとピンクが混ざり合った特有の色合い。
- 無色(ホワイト・サファイア):不純物がほとんど含まれない場合。
- 光学特性:
- 屈折率:1.762~1.770
- 強い二色性を持つ石もあり、見る角度で色が変化することがあります。
- 特殊効果:
- アステリズム効果(スター効果):6条または12条の光の線が見えるサファイア(スター・サファイア)が存在。
- チェンジ・オブ・カラー:光源によって色が変わる変色性サファイアも存在。
- 物理特性:
- モース硬度:9(非常に硬い)
- 比重:3.95~4.00
- 結晶構造:
六方晶系に属し、柱状または板状の結晶形で産出されることが多い。
加工と処理
サファイアはその色や透明度を向上させるために、以下のような処理が行われます:
- 加熱処理:
色を鮮やかにし、透明度を向上させるための最も一般的な処理方法。 - 拡散処理:
表面に色を付けたり、スター効果を強調する処理。購入時には必ず処理の有無を確認する必要があります。 - 未処理サファイア:
加熱や他の処理が行われていない天然そのままのサファイアは特に珍しく、価値が高いとされます。
主な産地
サファイアは世界各地で産出されますが、以下の産地が特に有名です:
- スリランカ:
世界的に有名な産地で、パパラチャを含む多彩な色合いのサファイアを産出。 - カシミール(インド):
非常に希少な濃いベルベットブルーのサファイアが産出される地域。 - ミャンマー(旧ビルマ):
高品質のブルー・サファイアで知られる。 - マダガスカル:
近年、多くの高品質なサファイアを産出している注目の産地。 - タイ:
青みがかった濃い色のサファイアが多い。