ジュエリー用語集
スピネル/Spinel
スピネルは、鮮やかな色彩と美しい光沢を持つ鉱物で、青、赤、ピンク、紫、橙、緑、褐色、無色など多様な色合いが特徴です。
かつてはルビーやサファイアと混同されることもありましたが、現在ではその独自の魅力で注目される宝石です。
和名は笑晶石(せんしょうせき)。
日本では8月の誕生石として指定され、近年ますます注目されています。
特徴
- 化学組成:
- 基本組成:MgAl₂O₄(マグネシウム・アルミニウム酸化物)
- 広義ではXY₂O₄を持つスピネル族全体を指す。
- スピネル系列、マグネタイト系列、クロマイト系列に分類される。
- 結晶系:
- 等軸晶系。
- 色合い:
- 鮮やかな赤色、ピンク色(特に人気)。
- 青色、緑色、紫色、橙色、褐色、無色など幅広いバリエーション。
- 発色は主に鉄、クロム、コバルトなどの元素による。
- 光沢:
- ガラス光沢または亜ダイヤモンド光沢。
- 物理特性:
- モース硬度:8(宝石として十分な耐久性)。
- 比重:3.58〜3.61。
- 屈折率:1.719〜1.744。
- 語源:
- ラテン語の「spina(とげ)」に由来し、結晶形に因む。
色と特徴
- 赤色スピネル:
- 発色元素:クロム。
- かつてルビーと混同されることが多かったため、「ルビーの代用品」とも呼ばれていました。
- 特に高品質な赤色スピネルは非常に希少で高価。
- 青色スピネル:
- 発色元素:鉄とコバルト。
- 深い青色はサファイアに似ていますが、透明度と色合いに独特の個性があります。
- ピンクスピネル:
- 発色元素:クロム。
- 明るいピンク色が特徴で、特に女性に人気があります。
- 紫色スピネル:
- 発色元素:クロムと鉄の組み合わせ。
- 優雅でミステリアスな印象を与える。
- 緑色・橙色・無色スピネル:
- 比較的希少。
- 特に無色スピネルは、透明感が高い場合ダイヤモンドの代用品として扱われることもある。
主な産地
- ミャンマー(旧ビルマ):
- 高品質な赤色スピネルやピンクスピネルが産出される主要産地。
- スリランカ:
- 多彩な色合いのスピネルが産出される。
- ベトナム:
- 鮮やかな赤色や青色のスピネルが特に有名。
- マダガスカル:
- 紫やピンクのスピネルが多く見られる。
- タジキスタン:
- 非常に希少な高品質の赤色スピネルが採掘される。