ジュエリー用語集
ジルコン/Zircon
ジルコン(Zircon)は、透明感とダイヤモンドに似た輝きを持つ鉱物で、古代から宝石や装飾品として利用されてきました。
豊富な色合いと強い光沢を持つため、宝石市場で広く愛されています。
また、地質学的には最古の鉱物の一つで、地球の歴史を解明するための重要なデータを提供しています。
日本では、12月の誕生石とされています。
和名は風信子石(ふうしんしせき)。
特徴
- 化学組成:ZrSiO₄(ジルコニウム珪酸塩鉱物)
- 結晶系:正方晶系
- 光沢:ダイヤモンド光沢
- 硬度:モース硬度6.5〜7.5
- 比重:3.95〜4.70
- 屈折率:1.78〜1.98
- 特殊効果:ダブリング(二重像)が見られる場合がある。
色合い
ジルコンの色は非常に多彩で、主に以下のような色合いが見られます:
- 青色:最も人気が高く、高品質なものは宝石市場で高値がつく。
- 黄色:温かみのある色合い。
- 橙色:鮮やかで華やかな印象。
- 緑色:ロータイプに多い色。
- 褐色、赤色:落ち着いた印象。
- 無色:かつてダイヤモンドの代用品として用いられた。
種類と分類
- ハイタイプ(High Type Zircon)
- 色合い:黄色、橙色、青色など多彩。
- 特徴:明瞭な二色性やダブリングが見られる。安定した結晶構造を持つ。
- 用途:主にジュエリーに使用され、高い評価を受ける。
- 中間タイプ(Intermediate Type Zircon)
- 色合い:帯黄緑色、帯褐緑色など。
- 特徴:ハイタイプとロータイプの中間的な性質を持つ。
- 利用:ジュエリーに使われるが、ハイタイプほどの評価は受けない。
- ロータイプ(Low Type Zircon)
- 色合い:緑色、帯黄緑色、帯褐緑色。
- 特徴:メタミクト現象(結晶構造の破壊)により透明度や硬度が低下し、光沢が減少。
- 用途:宝石としての利用は限定的。
主な産地
- カンボジア:高品質な青色ジルコンで有名。
- スリランカ:多様な色のジルコンを産出。
- タイ:黄色や褐色が主流。
- マダガスカル:美しい色合いのジルコンを多く産出。
- オーストラリア:ロータイプのジルコンが多い。
加工と処理
- 加熱処理:青色や透明度を引き出すための一般的な処理方法。
- 放射線処理:特定の色合いを強調するために行われることがある。