ジュエリー用語集
靭性/toughness
靭性(Toughness)とは、宝石が外圧や衝撃に対して割れにくい粘り強さを持つ性質を指します。
硬度とは異なり、靭性は宝石の割れやすさや耐久性を示す指標であり、日常的な取り扱いでの耐久性を判断する際に重要な要素です。
靭性の特徴
- 靭性の定義:
宝石に外圧や衝撃が加わった際、それに抵抗して割れにくい性質を指します。具体的には、宝石の構造がどの程度のエネルギーを吸収し、割れや欠けを防ぐかに関係します。 - 靭性と硬度の違い:
硬度は引っかき傷に対する抵抗力を示しますが、靭性は衝撃や割れに対する粘り強さを表します。例えば、ダイヤモンドは硬度が非常に高い(モース硬度10)が、靭性はそれほど高くなく、衝撃に弱い部分があります。
靭性の高い宝石
- 翡翠(ジェイド):
翡翠(ひすい)は、靭性が非常に高い宝石の代表例です。これらは、ハンマーで叩いても割れにくく、非常に頑丈な構造を持っています。 - ネフライト:
翡翠に似た性質を持つ鉱物で、繊維状の結晶構造が密に絡み合っているため、高い靭性を示します。 - その他の靭性が高い宝石:
アゲートやカルセドニーなどの潜晶質石英も比較的靭性が高いとされています。
靭性の低い宝石
靭性が低い宝石は、硬度が高くても割れやすい特性を持つことがあります。
- ダイヤモンド:
非常に硬いものの、結晶構造が脆く、一定方向に割れやすい(劈開性が高い)ため、衝撃には注意が必要です。 - エメラルド:
硬度は高いですが、多くのインクルージョンを含むため靭性が低く、割れやすい性質を持ちます。